DELF/DALF対策、と言っても、人はさまざまなタイプがあります。 性に合った勉強法というのは五感の何が優れているかというのにも関係があるようなので、自分のpoint fort(強み)は何かと言うのを知っておくと、私のように無駄な努力をせずにすみます。 本田40式認知特性テストで一度調べてみるといいかもしれません。 私のように、聴覚タイプと思っていたら実はバリバリ視覚・3Dだったということで、いままでの自分の勉強法ががっつり間違っていたってこともあります。「好き」と「得意」は必ずしも一致しないのですね...。とまれ、 私の勉強方法は「絶対」ではありませんから、参考程度に聞いてくださいませ。 さて、今日は、今から始めて試験頃には自信がつくリスニング対策です。
ちなみに、仏検対策はこちらのページになります:
- 仏検の読解問題にどうしても必要な力 (1) 辞書の頼り過ぎにご注意という話。
- 仏検の読解問題にどうしても必要な力 (2) 実践、読解問題。いきなり本文を読み始めない!
- 仏検の読解問題にどうしても必要な力 (3) 流れは状況補語と接続表現。まだ読みません。
- 仏検の読解問題にどうしても必要な力 (4) 引っ掛けのワナを華麗にスルー。やっと読みます。の予定。
各分野の目的を知ること
DELF/DALFの要項を見ると、試験の内容が分かれています。
口頭(Oral)では
Compréhension de l'oral(CO) Production de l'oral (PO)
筆記では
Compréhension de l'écrit (CE) Expression (Production) de l'écrit (PE)
これは、ただただ分かれているわけではなく、それぞれの能力をより明確に評価するための分野分けになっているのです。
まず、チャレンジする方々に知っておいてもらいたいのは
それぞれのカテゴリーの「目的」が何なのかということ。
たとえば「Compréhension」では、「理解力」があるかどうかを評価します。 なので、たとえば1点の問題で、自由表記、自由回答の場合(つまり、マークシートで選ぶものでない)あなたの答えの文法が間違っていようと、表現が不適切であろうと、問われた内容に当てはまる答えを出せば、 1点貰えるのです。 ちょっと肩の荷が下りませんか? 要は、あなたが問題のcontexte(内容)を理解し、問いを理解している、ということを証明できれば、高度なことを書いたり述べたりする必要はありませんし、文法とか表現力について、「Compréhension」の分野ではそれほど気にしている時間がないのです。
会話でリスニング訓練は効率が悪い?
Oralはリスニング力と口頭での表現力を問われます。 フランス語を話すお友達と会話で鍛えるというのは、「表現」の分野ではとても有効な方法です。まず、「外国語をしゃべる」という状況にすんなり入っていけるからです。 けれど、DELF・DALFのリスニング力を鍛えるには、実は、イマイチがつんと来る手法ではないのです・・・。
試験でよく使われるのは、ミニダイアローグであったり、レベルが上がるとラジオの録音だったりします。特にDALFになるとラジオのルポタージュが多いです。
Parenthèse : 私がフランス人と会話していてよく思うことなのですが、 初対面の人だと、どんなに気をつけて話しても、お互いに話がきちんと通じる可能性は、友達や顔見知りと話す時より30%ほど落ちてしまいます。 これは、ある意味仕方のないことで、マインドの影響が多いからだと思います。慣れていないフランス人は、私が発言したり話しかけたりするとき、非常に緊張してなんとか私のアクセントを聞き取ろうとするため、妙なtensionが一気に上がります。私の言うことがわからなかったら私を傷つけてしまう、という心配りからなのでしょうが、実は裏を返すと
「こいつの言うことは注意して聞かないとわからない、なぜなら外人だから」
と、思い込んでいることからくるのです。
もちろん、こちら側も「私の表現変じゃないかしら」「意味通じるかしら」と不安から力んで発音したりして、お互いに相互理解を阻んでいるというおかしなことになります。
ヨガをやっていて、身体の固まっている状態を伸ばしていくとき、痛いのを防ごうとものすごい力を入れているのに気がつきます。呼吸を繰り返していくうちに、それがふっと緩むときがあり、まるで「かぱ」と身体のふたが開いたような感覚を持ちます。 リスニング力も、身体に力が入っていると、全身のふたがびしっと閉まってしまうのです。 Parenthèse 閉めます(笑)。
それでも、生の人間に向かい合っているときには意思疎通が、見えたり聞こえない部分でできます。いわゆるテレパシーのようなものですが、思いというのは通じる力があるからです。 けれど、試験の時目の前にあるのは無愛想なスピーカー。そしてこちらは非常に緊張した状態。これでは普段わかることもブロックかかりまくりなのです。 ラジオやテレビは時間が限られているのもあり、独特の表現もあるため、ものすごく早く感じてしまいます。いくら普段友達と会話するのに慣れていても、このスピードについていくには、とにかく慣れるしかないのです。
効果的なリスニング対策
とにかく、ラジオを聴く!
フランスのラジオはネットで聞くことができます。 これが総合サイト。ここから好きなラジオ局に飛ぶことができます。 Radio France 試験によく出されるのは、
France cultureはインテリチャンネルとして名高く、難しいことを言うコメンテーターがよく出てきます(笑)。でも、世界の国々のルポタージュとか、画家・作家についてのドキュメンタリーとか、ラジオドラマとかやりますから、興味のある時間帯を聞いてみるといいかもしれません。上級用かな? France Infoは、繰り返し繰り返し一日中ニュースを流し続ける番組です。1ターンがすごく短いですからDELFにはもってこい。ニュースや天気予報の録音などが使われます。ただ、結構味気ないので一日中聞いていると嫌になってくることも。
私が個人的に好きなのは、
の二局。 France Interもニュースが主なのですが、様々な分野のゲストを読んでインタビューする「L'Heure bleue」や、専門家を呼んで今話題になっていたり、問題になっていることについて討論したり紹介したりする「Tête au carré」なんかが面白いです。テーマも、文化一般から国際・経済・若者文化と豊富。視聴者と繋いで直接意見を聴いたりするので、表現力やフランス語独特の癖なんかも聞けて面白いです。視聴者が超緊張してたりすると笑えます。アナウンサーも聞きやすいしゃべり方をする人が多いです。
FIPは、試験対策にはあまり向いていません。音楽チャンネルですが、ほっと一息つくにはちょうどいいです。時間ごとにトピックスを入れてくれるので、それが結構リスニングには向いているかもしれません。
耳だけ訓練しても足りない
リスニング力は一朝一夕にはつきません。毎日の積み重ねがものを言います。 疲れた時にBGMとして聞く時と、リスニング訓練として聞くときのメリハリをつける。
また、試験対策として聞くときは、メモを取る練習が必要です。 ニュースであれば、5W1Hをさっとメモできるように。
- Qui (だれが)
- Quand (いつ)
- Quoi (なにを)
- Où (どこで)
- Comment (どうやって)
- Pourquoi (なぜ)
- Résultat/Conclusion (結果/結論)
に、ポイントを絞って聞く癖をつけておくのです。 長くなりましたが、今日はこの辺で。 Bonne chance !