オーボエ奏者(左)とトランペット奏者(右)。
デカイ二人。
L’Orchestre National des Pays de la Loire(ロワール管弦楽団)のコンサート。
素晴らしかったです。何もかも。無料だったのが申し訳ない位だ。
左のオーボエ君の「クープランの墓」は、この音があるからこそ「クープランの墓」なんだと今更ながら気づかされたものでした。
彼はちょうど私の席のど真ん前に座って演奏していたのでよく見えたのですが、打ち上げの時に後ろから口笛が聞こえてきて振り向いたら彼だったので、軽く運命を感じてしまいました。
別に何もなかったけど。
オーケストラを聴いて、音が立体的に聞こえたのは初めてだなあ。
ヴァイオリンの音が本当に3D状態で迫ってくるので、鳥肌が立ったり涙が出たり大騒ぎ。
(私は音楽のクライマックスにくると泣けてくるという変な癖があって困ります。)
横を向くと凸形にはっきり見える太っ腹のチャバさんがぴょんこぴょんこと飛ぶ指揮は、その外見を裏切って(失礼)とても繊細でした。
(髪型を変えたらサン=サーンスの写真そっくりになりそう。)
とにかく、オーケストラ全体が音をたいせつにたいせつにしているのがよくわかりました。
いやー、それにしても戸田弥生さんのサン=サーンスにはやられた。
女。情熱。炎。キューバ!アイカランバ!!
私が小学生の頃、下校の時間に流れる音楽がサン=サーンスの「白鳥」で、その物悲しいメロディーは、せっかく友達と遊んでいたのに帰らなくちゃいけない悲しさに刷り込まれてしまいました。以来、「ロマンチック過ぎる」と毛嫌いしていたんですが、この作曲家、実はすごく面白いことに最近気がつきました。
それを教えてくれたのが Duo de pianos (クリックするとAmazon.fr内に飛びます)。
サン=サーンスの収録作品のうち、ベートーヴェンOp.35のテーマを使ったヴァリアントは異色。FIP(フランスのラジオ)で聞いて、耳に残ったのでCDを探して買ってみたらすっかりお気に入りになってしまいました。二人のベートーヴェンが入り乱れるような、情熱的で不思議な融合。
L'ONPLのメンバーは明日新潟を経ち、26時間かけてナントに戻るそうです。みんなタフだ・・・
Bon retour !