Et vous, vous ne trompez pas la vôtre?
これだけ面白いアーティストが来ているのに、宣伝がいまいちなためか来場数が思わしくないので。
ナント市との姉妹都市協定を記念したイベント第1弾が、実は昨日のONPLコンサートではなく、二人のナンテーズ(ナント人女性)、アノ・ウエとヴェロニク・オノレによる絵画展ROSE ET ROSE(ローズ・エ・ローズ)。
りゅーとぴあ4階ギャラリーでの展示は本日で終了しましたが、砂丘館とギャラリー蔵織では引き続き20日まで見ることができます。蔵織では販売もしています。全会場入場無料。
二人のプロフィールを抜粋すると・・・
Ano Huet (Anne=Odile HUET-HUMEAU)
アノ・ウエこと アンヌ=オディール・ユエ=ユモー
フランス国立工芸美術学校(ENSAAMA)を経てパリ高等美術学院卒。
同校を通してワークショップ展示会を行い、コンクールに出品。
1990年よりフランスの伝統的な風景や地ほんの民族衣装をモチーフにしたイラストの挿絵展示会を始め、1996年に活動を広めるために自らの出版社を設立する。
2002年にはシアトルで挿絵展示会を行う。
2004年より、ナント市ピヴォ美術学校で工芸教授主任。
この人の作品は多彩で、知らないで見ると、りゅーとぴあ・砂丘館・蔵織それぞれは同一人物の作品とは思えない。私個人のお勧めはやっぱり「Hommes d'affaires(ビジネスマン)」シリーズ。シニカルな視点で捉えたビジネスマン達の手や表情の考察は、フランス人を知っていると「あるある~」という
動きを切り取っていて、タイトルも「fichu(やられた)」とか、「Non!」とか、不気味ながらつい笑ってしまう。
上の作品は「corne(角)」だったと思うけれど、フランスでは奥さんを寝取られるとだんなさんに角が生えると言われてます。そういう背景を知っていると、Anne=Odileの作り出すブラックな笑いの世界が広がります。
Véronique HONORÉ
ヴェロニク・オノレ
2000年よりナント市内及びフランス各都市で版画作品を展示。
2004~06年にはナント市内のジュール・ヴェルヌ博物館と連携してヴェルヌ作品をテーマにした版画アトリエを創設し、150人で巨大な版画を作成。
2001年より工芸講師としてナント市リヴェ高校で教える。
ファッション業界でも活躍し、1990年から4年間ソニア・リキエルでスタジオ部長を勤める。
友人であるアノ・ウエの出版社が彼女の作品のポストカードを販売している。
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彼女の作品はモノタイプという版画の手法で、亜鉛版に直接色を塗りそれをプレスする手法。このテクニックはドガが気に入ってよく使ったそう。普通の版画と違って一枚刷ってしまったら二度と同じものはできない。
ドットが特徴の彼女の作品はカラフルで女の子心満点だけれど、そこに書かれているメッセージは、
Un frisson qui me touche. (こころ、震える)
など、繊細なものが多い。
砂丘館の作品の一部は、「プレスしたあとの版画をベランダに一ヶ月程放置して古びた感じを出したりしたのよ」と説明してくれました。
りゅーとぴあに展示してあったものの中には、ウォーホルを思わせる少女の正面顔などもあったり。全体的にラムネのような、ソーダのようなイメージがminigon(キュート)。
彼女達は10日まで新潟にいらっしゃいます。帰国前には展示場を訪れると思われますのでひょっとしたら会えるかもしれませんよ。
砂丘館 (※18日(日)まで)
新潟市中央区西大畑町5218-1
「西大畑坂上」バス停下車徒歩一分
TEL 025-222-2676
www.hanga-cobo.jp/sakiyu/
9:00~21:00 休12日(月)
ギャラリー蔵織 20日(火)まで
新潟市中央区西堀前通り1番町700番地
「白山公園前」または「市役所前」バス停下車徒歩2分
TEL 025-211-8080
www.craole.jp/index.htm
11:00~19:00 休14(水)
お問い合わせ先■ 新潟市国際課
※両展示会場とも駐車場がないため、公共交通機関利用をお勧めします。
昨日のオーケストラといい、この絵画展といい、強いエネルギーを惜しみなく与えてくれ、近頃なんとなくくすぶっていたのが、知らずクリアーになっていることに気がつきました。
こわくて躊躇していたけれど、一歩、踏み出してみるかな。