プログラムとにらめっこ
選択授業の争奪戦ツアー
本の山
ルーズリーフ
「いざ!」と毎年力が入りがちな滞在許可証申請も、 今年が最後と思うと、寒い風の吹く待ち時間にも心はぶつぶつ言わない。
雨が降らなくてありがたかった。
いつも3人程県庁から許可証申請の審査官がやってくるのに、 なぜか私は毎年同じおばさんに当たる。 めまいのするようなピンク色に塗られた彼女の口が ぶんにょぶにょと動いて、 そこから機関銃のようにだ、だ、だ、だ、と突き刺さるフランス語に 「えらいところに来てしまった」 と身震いした最初の年。もう4年経つ。
語学学校時代の友人のルーマニア人と再会。彼女は日曜日、イギリスに経つ。EUに入っている国の学生は留学が簡単に申請できる。
「また、まりがナントを離れちゃう前に会えたらいいね」
と彼女は言ったが、ビズゥをした時に、その可能性がどれくらいあるかを考えた。
彼女もそれがわかっているのか、しばらく身体が地面に張り付いたようにその場にとどまって、それからにこりと笑うと扉を開けて行ってしまった。
頭がよく、頑張り屋さんの彼女のことだ、勉強にバイトにきっとあっちでも張り切って過ごすだろう。 この広い世界で、違う国に生まれて、言葉も文化も違いながら偶然、母国とは違う国で出会う。留学をして、このことひとつとっても、本当にすごい体験だった。あまりに当たり前になっていて、気がつかずにいたけれど。 出会えてよかったね。あなたのこれからが幸多きものでありますよう!
選択授業争奪戦で、予定にしていた20世紀のTDクラスにあぶれて、今年もベルティエ先生のバルザックの所に舞い戻る。
結局ベルティエさんには丸三年お世話になることに。これも縁だなと、あきらめて「La Vieille fille」を買う。 やっとバルザックが苦しみを感じずに読めるようになったことに気づいて、ちょっとほ、とする。
月日は流れ、人は入れ替わり立ち代り現れる。 『万物は流転する』 私は縁を信じる。類友も信じる。まだ見ぬあなたを信じる。
さてと!
○先生が稽古中に言うように、 「無理して無理しないように」 がんばりますか。