20代のはじめ頃、パントマイムを教わりに行っていた。
そのころ研究生だった劇団のカリキュラムで週に1回授業があって、ほんのさわりを教わった。先生はおかっぱで、下半身のぴっちりしたダンス用のパンタロンをはいたおじさんで、もうこれ以上ないくらいはげしく怪しかった(実は知る人ぞ知る偉い人だった)のだが、わたしは昔から、蛾が街灯にわらわらと集まってしまうように、怪しいところにふらふらと近寄ってしまうたちで、劇団の同期に誘われ、気がつくと夏休みに先生のレッスン場に通うことになっていた...
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