背水の陣

法として成り立つべく、ジャックさんが宣言した次の日、「CPE est mort」・・・「お前はもう死んでいる」 と言われる法律。

それが、CPE。

騒動も佳境に入って来ていて、あと一週間で試験が通常通り、ごり押しで可能か、それとも・・・という状況。

通常、ナント大学文学部は5月9日から期末試験が始まる。もしずれた場合、その後に控える追試にも影響が有り得る。もともと追試は6月中盤に設定されているので、一週間以上ずらしてしまうと7月に食い込む。 卒業する人たちにとって、6月末にディプロムを手にしていないのは致命的。 ところで、ナント大学は何としても日程通り試験を行わなければならない理由がひとつある。 財政問題。

どの学部でも1年生の人数は多く、一同を集めるだけの教室が大学の施設にはない。そこで、毎年ボージョワールにある大きな催し物開場を借りて、いくつかの試験を行うことになっている。 もし日程をずらせば莫大なキャンセル料が発生するわけで、そんな無駄遣いができるお財布をナント大学は持っているわけがないわけで。 ・・・ここまでが、大学側の事情。

さて、まり側の事情はシンプルです。 あたい宵越しの金はもってねぇんだ。江戸っ子気質なんだよ。 7月に入ると、飛行機の切符はべらぼうなんだ。 フランス人のごたごたのせいで、なんであっしが損をしなきゃなんねぇんでい、このこんこんちきめ! 飛行機の切符を予約してしまいました。 追試日程がずれたら、追試受けられません。だってナントにいないもん。 そんなわけで「追試ゼロ運動」を遂行するべく、自らを追い込み、人知を超えた力を発揮する策に出たわけです。 策士策におぼれるとか言うべからず。