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e-cor エコール フランス語コミュニケーション教室

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        日々是々 フランス語とわたしの冒険

        日々是々 フランス語とわたしの冒険

20110604_2094266.jpg

愛と副詞の行方

June 4, 2011

 Il était une fois... (昔々)

「ジュテーム (Je t'aime きみが好きだ、きみを愛している)」

と、フランス語で言われたことは残念ながらないのだけれど、実は言ったことはある。 (正確には tu [きみ]で話す相手ではなかったので(!)「ジュテーム」ではなく「ジュヴゼム[je vous aime]」の方だった。)

その返答については置いておいて(笑)。

 ここでむかーしむかしに書いたことがあるかもしれないのだけれど、好きである、愛するという動詞aimer(エメ)を愛の告白で使う時には、決 し て副詞を付け加えてはならんのです。

深く考えなければ

「好きです」 「とても好きです」

だったら、

「好きです」< 「とても好きです」

という気がするのだけれど、これを実際フランス語でやると

「Je t'aime(好き)」>「Je t'aime beaucoup(とても好き)」

となる。というより、「Je t'aime beaucoup」は「トモダチとして、きみっていいやつだよな」という意味に成り下がります!あぎゃ。

なぜか。ここに、『副詞の反作用的冷却機能』(←今考えた)が発揮されているのであーる。

cah3-bk.png

副詞のふるまい

ところで、基本的なことを。副詞というのは動詞や形容詞にくっついて、その言葉本来の意味に程度を付け加えたりニュアンスを加えたりする働きのあることばです。上の例だと「とても」がそれに当たります。

私は品詞の中では副詞が一番好き(おわ、怪しさ満点・・・見よ、この「好き」の破壊力!)。

aimer はとても強力な動詞で、直接法(現在形)で使うと激しくストレートな主張をすることになります。「ジェム」って言うと、私にはその場で巻き起こるインパルスに周囲の気がなぎ倒されるのが見える(うそ)。 あまりにもダイレクトに強いので、「とても」「よく」「すっごい」のような副詞をクッションのように使って逆説的にその激しさを緩和させてるんじゃないのか、ということがよくあります。

A) J'aime le chocolat. 「チョコレートが好きです」 B) J'aime beaucoup/bien le chocolat. 「チョコレートがとても好きです」

意味としては、B)の方がより「好き」。イントネーションにもよりますが、一般的には、人以外(物や概念)が対象の時「とても」がある方がより強い印象になります。

けれど、聞き手にとっては A)の方が動詞(aime)と補語(le chocolat)の間に余計な物が挟まっていない分「好き」という響きがガツンと来ることがあります。

だから、対人の時に「とても」だの「すごく」だのを挟んでしまうことで、逆に「愛している」という激しい気持ちの流れに障害物を差し込み、却って緩和させているのではないかしら。言葉が持つ意味合いに反比例して燃え上がる気持ちにざばんと水をかけてしまっているのです。いやん。

ちなみに、これもここで昔書いた気がするのですが、「なんでなんで?!『とても』って言った方がより愛してる感がでるじゃん!」とフランス人の先生に聞いた所、こんな答えを貰った。師、曰く:

「本来、愛とは無限のものである。副詞を付けることは、その無限の広がりに一種の『限度』を与えてしまうことである。程度を表す副詞は『愛する』という行為とは相容れないものなのだ。」

・・・合掌(なんとなく)。

cah3-bk.png

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「好き」は難しい

 英語の「love」という概念は、日本語にはもともとなかったので翻訳しにくいという話を聞いたことがあります。確かに、日本語で「好きです」とか「愛しています」というのは形容詞的「状態」で、まさに「草食系」で自己完結、それに対して「love (aimerも)」はもっと能動的で「行為」であり、相手を巻き込んでがるるるる、のような「肉食」的イメージもあるなぁ・・・。

 先日ラジオで「 Lisa Lauren Loves the Beatles」というアルバムタイトルを聞いた時、うわ~これにしっくりくるような邦題をつけるとしたら困るだろうなぁと興奮(?)してしまいました(今はこの程度の英語はいちいち邦題を付けないので、実際の日本版も「リサ・ローレン・ラヴズ・ザ・ビートルズ」となっている)。

「リサ・ローレンはビートルズが好き」では消極的すぎて彼女がこのアルバムを出す意義が伝わらないし、 「リサ・ローレンがビートルズを愛する」というのもなんとなく日本語的感覚にはしっくり来ない。「ビートルズを愛するリサ・ローレン」でも「だからどうした」感が・・・。

愛の表現方法は様々で、好きだと言ったり演奏したりするだけでなく、こんな風にカヴァーアルバムを作ることがリサ・ローレンなりの「愛する」行為だという意味が「Lisa Lauren loves the Beatles」というシンプルなワンフレーズからは普通に匂ってくるのに、日本語の直訳ではそこまで感じ取るのは難しい。文法的にちっとも間違いではないのに。

 日本語で、文字通り「好きです」と言ったことはないのですが(言ったのに酔っぱらっていて記憶が抹消されたこともあるかもしれない)、言われたことは1回ある。中学生の時だったんだけど、「とても」とか「すごく」などの飾りはなかったから、彼の言葉、気持ちの強さを受け止めきれず、私も彼のことが好きだったのに上手くいかなかった・・・嬉しかったのに。こういう、ビシッと決める時にお飾りがついていると、どこか言い訳めいて聞こえるというか、勇気がないような、本気なの?と疑いたくなる隙間ができるのかもしれないけれど、中坊くらいの恋愛初心者には強烈すぎなくて良かったりするのかもしれません。

 女性は、お互いの気持ちを確認してからも度々「ねぇ、私のこと好き?」と聞きたくなり男性にうっとうしがられることが多いというのは結構有名な話ですが、これも「ノルウェーの森」の主人公ばりに「世界中の虎が溶けてバターになっちゃうくらい好きだ」ぐらい毎回言えればいいのでしょうけれど(それも賛否両論ありか)、大概は結局「うん・・・」とかお茶を濁してしまう。「好きだよ」と平気で言える人も中にはいると思うけれど、やっぱり「好き」の直球は恥ずかしい。自分の内面を曝け出す言葉だから、言う方も受け止める方も勇気がいるんだよな~。 (わたしは、この「ねぇ、私のこと好き?」という台詞は恥ずかしくて言ったことがないです。聞きたくなる気持ちはわかるけれど、その前にドリフの志村けんと桜田淳子の新婚コントを思い出して笑えてしまう。←古い)

cah3-bk.png

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「僕のことは忘れなさい。」はdevoirではなくfalloirを使う。なぜ?

 さて、冒頭の返事ですが、

「Il faut oublier (忘れなさい)」

でした。

(しれっと文法解説に。)Falloir はこういう場合に使うのに程よい圧力があり、この場合、断る時のすまないなという気持ちに流されずにさりげなくでもあきらめなさいという断固とした主張が聞こえ、devoirの断定・高圧・悲劇的な響きよりも優しさを感じられるのです。主語が非人称の「il」なので、誰も悪者にしないという心遣いが見える・・・。

 大人になると、何語であれ、こういう「ザ・告白」ってあんまりやらなくなってしまう気がします。特に「愛している」を使ってしっくり来るのは故忌野清志郎くらいじゃないのかベイベ。お互い、できれば暗黙の了解に持ち込みたい・・・ことばじゃなくても、皮膚を通して伝わるってこともあるしな・・・白黒付けて万が一傷つくと、立ち上がるだけの体力が若いとき程ないし・・・。やれやれ。

In Cor 心 Tags フランス語表現・言い回し, 副詞, 文法
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