ALEXANDER AND WIND-UP MOUSE 1969 Leo Lionni "Je vous apporte mes voeux. - Merci, je tâcherai d'en faire quelque chose." Jules Renard 「ご多幸がありますよう!私の心からの気持ちをお受け取りください。」 「ほんじゃ、ありがたく頂いて・・・なんかの足しにしておきますわ。」 ジュール・ルナール
・・・2008年はフランスオヤジの小話で幕開けでございます。 この意訳を考え付くのに2日半かかってしまいました。 (それだけに費やしたわけではありませんが) 野暮な解説をしますと、apporter (ses) voeux は直訳で「祝意を運ぶ」という意味で、「新春のお喜びを申し上げます」的に使われます。 tâcherは「努める」という意味の動詞で、+deの後ろに動詞の原形を持ってくることで「~するようにします」という前向きな努力の気持ちを表します。小話中では未来形で使われています。 en faire の en は既出のものを指す代名詞で、「それで」とか「それを」という意味になります。ここでは「mes voeux」を指しています。 例えば隣りの奥さんが、「これ、お土産のプロヴァンス産のブーケガルニなんですけど・・・よろしければお料理にどうぞ、ただ、匂いが飛びやすいので早めにお使いくださいね」 なんていう時に、「あ、じゃあ煮込み料理なんかの時に使うようにしますねー!」 という使い方をするのですが、「慶びと祈りの気持ちを持って来ました」という人へ、「肉じゃがにいれるようにしますわ」的な言い方で返事をする、という話でした。頭をちょっと使わないとわからず、鼻でフンと笑う感じが非常に憎憎しげな、まさにフランスな小話です。 ちなみに、これに対する返事で、H神父様(ご無沙汰しております)が教えてくれたのは、 Chez le boucher La cliente: "Madame, je voudrais une tête de porc." La bouchère: "Un instant, je vais appeler mon mari." 肉屋にて。 客 「すいません、豚の頭をお願いしたいんですが」 おかみ 「はいよ、ちょっと待ってね、家の亭主呼ぶから」 もうがまんならん程ムカつく、とかイヤラシイやつ!!という時、「ブタ!」とののしったりするのですが、うーん・・・イスラムの人には披露できない小話です。 さて。こんな小話合戦を披露したあとでどうよ、という感もありますが、 今年のキーワードは、 Passion! パッション(情熱)です。 キャラ的には熱いのはあんまり好きじゃないんですが、なぜか、今年は熱くなりそうな気がしています。 まー、「藪からスティック」系の熱さを放出しないように気をつけたいと思いますが、冒頭からオヤジの小話では、先が思いやられる気もじわじわとして参ります。 なにはともあれ、みなさま、今年もどうぞよろしくお願いいたします!!