2ヶ月に一回位の割合でフランスの味の試食会をしようかな、と企画中。
某シェフに協力して頂いて、フランスの素朴な味をみんなで楽しみながら発見しよう!というもの。ぜひ楽しみにしていてください。
12月1日(土)スタートのNIC駅南でのグラン・デビュッタン(初心者向け)クラスがe-corの初授業(教室体験)となるので、みんなでパンを食べて、文字通り「copain」(コパン・友達、仲間)を祝ったらどうかな、と考えています。
コパンの「コ(co)」は、ラテン語のcum「~と一緒に」から来ていて、頭にCOが付いている語は大抵「人々が集まる」という意味合いがあります。
これにパン (pain) がくっついて、ひとつのパンをみんなで分け合って食べる→日本語で言う「同じ釜の飯を食う」仲間なんですね。
最近はフルーツ酵母エキスを作ってパンを焼くのにはまっていますが、酵母を育てる手ごろな瓶がなかなか見つからず。(上のパンは基本中の基本、レーズン酵母で作ったリュスティック。デビュッタントでございます・・・)
料理といえば、先週の土曜日にLa cucina shinobina の「ヨハンナ PAPA GIOVANNA」に行ってきました。
これは横山しのぶさんが定期的に行っている食のルネッサンスを味わわせて下さる大変面白い企画なのですが、今回は旧約聖書の中の「エレミヤの書」からインスピレーションを受けて初期キリスト教時代のお料理をコースにしたものでした。 私はキリスト教徒ではないので(というか無宗教なので)、聖書は大学で文学の一環として学んだ「創世記」とか「出エジプト記」とかモーセの話とか、あとはルネッサンス期のマロによるPsaume(詩篇)なんかしか知らないため、すっかり本棚の奥にしまい込まれていた聖書を出してきて「エレミヤ」を一生懸命探しました。 ジェレミーにたどり着くまでかなりの時間がかかりました。。。(フランス語でエレミヤはJérémieと記されています)。 旧約聖書は、ものすごい量の登場人物に家系図の複雑さが加わり、面白い話が多いのですが試験の時には泣かされましたっけ(自力で家系図をつくったものの、ヤコブの子ジョゼフ辺りで挫折)。 日本人の私に、この「異文化」の元締めとも言えるものが果たして理解できるのだろうか・・・という不安はあってもおかしくありません。 しかし、横山さんが膨大な量の読書と研究の末に見出したものは、 「生きる」ということだった、 と、会の最後でおっしゃった時に「ああ、この大きな『物語』は、そういう風に読めばよかったのか」と初めて聖書の意味がわかったような気がしました。 頂いたお料理はとても知的で多彩で美味しかったのですが、ひとつのパフォーマンスとして料理を「見せる」時に、このテーマは非常に難しいなと思いました。 きっと少人数でひっそり行う方が、伝えたい「真実」は伝えやすくなるのかもしれませんが、それでは宗教色が強くなって、密教会みたいになってしまう危険があります。逆に、今回のように大勢でテーブルを囲むと、散漫になってしまう・・・ なんにせよ、これからもShinobinaがどんな風に表現していくのかとても楽しみです。 それにしても、参考資料の多いこと・・・頭が下がります。