PHILOSOPHIE エコールとフランス語

« e-cor » [ekor](エコール)は、ラテン語で「こころ」を意味するcorに、「拡がり」「発展」を表す接頭辞 e- を付けた造語です。2007年にフランスから帰国し、フランス語教室を立ち上げる際に、フランス語の「学校」を表すécole に近い言葉を考え、できた名前です。

思考・インスピレーション・感情の源である心、私たちひとりひとりが持っている心は、湧き出る泉の様に尽ることはありません。空間を占めるエーテルが目に見えないように心もまた姿を持っていませんが、私たちは心が「開く」こと、そしてどこまでも「拡がって」行くことを知っています。

それは、まるで広大な宇宙のように限界がないのです。そのように、この教室も通われる方の心も、ゆったりと拡がり、どこまでも続いていけたらいいな、という願いを込めました。

Communication et La langue française

コミュニケーションとフランス語

 

「コミュニケーション」とは、「共有すること」「分かち合うこと」そしてそれを「伝えて行くこと」です。

「こころ」が拡がって、拡がって、ついには「私」から飛び出したとき、それは「私」のものであり、同時に誰かのものにもなります。

外国語を学ぶことは発見の連続です。違う言語を通して見る人、文化、生活、価値観、喜び、失望、勇気・・・そして、「私」。

言語というのは「私」を表現する楽器のようなもので、同じメロディーでも何を使うかによって音色が変わります。楽器にはそれぞれ持ち味があり、それを生かすにはテクニックを習得する必要がありますが、一番重要なのはそのメロディーにこめられた思いであり、それが理解できなければどの楽器を使おうと聞き手には伝わらないのではないでしょうか。

現代では盛んに教育の国際化が提唱されていますが、いざ外国語で表現しようとした時に明らかになるのは、私たち日本人のベースである日本語で相手の話を的確に理解し、受け止め、その上で考え、明確に表現する訓練の不足です。たしかに、長年親しんできた空気のような存在の母国語で、日ごろ自分がどう感じそれをどう表現しているのかというのを改めて見つめるのは簡単ではありません。けれど、他言語の仕組みを通して発信するとき、その不自由さゆえに「私」は「何を感じ」、「何を考え」そして「どうするのか」ということにゆっくりと丁寧に向き合う必要が出てきます。

 

Lentement mais sÛrement

 ゆっくりと、たしかに

 

まずはじっくり「私」自身の声に耳を傾け、感じることができるようになること。表現の泉である心は常に「私」の中にあり、どの言語で表現するにしてもそこからしか考えを汲み取ることはできないのですから。

フランス語は、その語彙・表現の豊富さ故に「分析力」をとても大切にします。その空気に一番ふさわしい言葉・フレーズは何かを追求し、「伝える」ことに高いクォリティを求めます。こころの泉に浮かび上がったひとつひとつの思いに、五感を通して的確な表現に染め上げ、紡いで行く。語学も、やはりひとつのアートなのです。

木は上に大きく伸びるとき、同時に深く根を張ります。語学学習も、それと同じです。外に向かって発信するには、「こころ」を深く掘り下げてバランスを取らなければ倒れてしまいます。

どんな小さな苗木でも、しっかり地に根を下ろして少しずつ大きく伸びて行けば、やがて美しい緑の影を作り、見事な花を咲かせることができると思います。

いのちあるものはすべて循環しています。知識は蓄えたまま眠らせていては腐ってしまいます。語学も、日常で応用し使いこなせなければ意味がありません。

フランス語を通して、自分の、そして人のこころに耳を傾けるということを学び、それを表現し、分かち合い、日々の生活の中でつながりを作っていくこと。

これが、e-corのコミュニケーション、そしてフランス語学習のプランシップです。

Photo via Visualhunt

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ちなみに、「心から飛び出して」という意味の正しいラテン語は、おそらく e corde (エ コルデ)となると思います。

 

Q & A

Q : アトリエには曜日によってレベルの違いがありますか?

A : ありません。どちらも初心者〜中級のレベルの方が混在しています。集中した特訓や、上級の方には個人レッスンをお勧めしております。

 

Q : アトリエに興味があるのですが、まったく勉強したことがありません。初級〜中級向けアトリエと言っても、私のような超初心者が入って、付いて行けるのでしょうか?他の参加者の迷惑にはならないかと心配です。

A : ご心配にはおよびません。講師は個々のレベルや得意・不得意分野を把握していますので、アトリエで取り上げるテーマは共通していても、個人の作業ではそれぞれに合った課題に取り組んで頂いております。 また、これまで苦労を乗り越えて来た学習者は、これからその道を歩み出す人に対して、できるだけ寛大であって欲しいと願っております。自分と足並みが揃わない者を排除しようとするような姿勢は自身の向上を阻んでいることになります。幸い、当教室にはそのような意地悪な方はいらっしゃりません。安心して体験にいらして下さい。

 

Q : フランス語圏への留学を希望していますが、全くの初心者です。留学までに力を付けたいのですが、何から始めたらいいのかもわかりません…。

A : エコールからは何名もの生徒を留学先へ送り出しております。フランスの都市での短期・中期の語学学校への登録から始まり、講師自身が長期留学経験者であるため、その体験を活かした留学準備のお手伝い・現地に行ってからのトラブルの相談やサポートも行っています。
個人レッスンで、留学の目的、目指すレベル、帰国後のビジョンについて「問診」をし、それに合わせた現地での日常・学校生活で必要な会話を中心に文法を学んでいただきます。また、自宅学習も合わせて行っていただくことで、留学までの生活でなるべくフランス語に触れる時間を増やすように計画をいたします。

Q : フランス語圏への留学を控えています。すでにある程度のレベルを持っているので、留学に向けてブラッシュアップしたいと考えているのですが、どのような指導をしていただけますか?また、留学のサポートをお願いできるでしょうか?

A : エコールでは、フランス語圏での特殊な分野のスタージュ(研修)などもコーディネートしてまいりました。
目的がある生徒さんには、それに照準を合わせた授業(現地での生活や研修で必要な知識を深めるレッスン)を行いますので、個人レッスンに通われる方がほとんどです。詳しいお話を伺い、具体的な予定を立てて行きます。

 

Q : 仏語検定を受けたいと思っています。対策授業を行ってもらえますか?

A : 講師は検定の試験監督をしていますので、常に最新の情報でサポートを行うことが可能です。アトリエの授業で試験の過去問を行うこともあります。2級以上を受験する予定の方は、1次対策として、個人レッスンで長文読解やリスニングの特訓を行っています。
2次に進まれた方は、試験官との面接の際のノウハウ、身体表現や言葉の選び方などを指導いたします。

 

Q : DELF/DALF、TCFを受けたいと思っています。対策授業を行ってもらえますか?

A: はい、可能です。講師はDALFを取得していますので、適切な指導を受けることが可能です。また、TCFも受験経験があります。DELF/DALFは読む・書く・聴く・話すの四つの分野の総合的な力を問われます。豊富な知識だけでなく、自分の意見を述べ、相手を不快にさせることなく「納得させる」ことができるセンスと能力を試されるハイレベルな内容ですから、日本の「一般的」な勉強方法ではパスすることが難しい試験です。しかし、コツをつかめば、フランス語だけでなく日本語でもタフな理解力、思考力、弁明力が付くのです。
個人レッスンでは、勉強の仕方「メトドロジー」から始めますので、確実に力がつく授業を受けることができます。